災害大国と言われる日本。
近年は特に毎日どこかで地震が起きている状態で、いつ大きな地震が来るかわからないと言われています。
一部地域で発生すれば、被害のない地域からの救済も見込めますが、以前は家庭での備蓄は最低3日と言われていたのが、今では最低1週間分と変更となってきています。
ここ数年で物価もかなり上がってきているので、なるべく安く買えるうちに購入して、長期保存保存を考えている人も多いかと思います。
今回は、主食のお米をはじめ、豆や麺類などの長期保存方法についてご紹介したいと思います。
※あくまで素人が「こんな風に備蓄しています」というご紹介ですので、専門的な知識をお求めの方にはご注意ください。
穀類(米・雑穀・豆・麺類)の長期保存ポイント
食品(食料)を劣化さるのはこれらが原因です。
これらの原因をいかに減らせるかが長期保存の期間に関わってきます。
ポイント①空気による酸化
穀類は水分量が少なく、そのままでも長期保存が可能なイメージがあります。
しかし、どの穀類も空気に触れるとどんどん酸化していきます。
食料(食品)を長期保存するなら、何より空気に触れさせないことが大切です。
購入したままの袋なども空気を通しますので、長期間保存するのであれば、空気を通さないものに移し替える必要があります。
ポイント②高温多湿
穀類は高温多湿の場所においておくと乾燥しすぎたり、虫がわいたり、カビが生えたりといった心配があります。
少量であれば、小分けにして冷蔵庫での保管するのが良いですが、冷蔵庫の容量も限られているので、穀類ばかりを保存することは出来ないですよね。
保管する時には、なるべく風通しの良い場所で保管することが大切になります。
※特に夏場はご注意ください。
保管の温度の目安は30度以下。出来れば24度以下が推奨されます。
ポイント③光
穀類は光に当たることでも劣化が進んでいきます。
なるべく光の当たらない容器や場所に置いておくのが良いです。
直射日光が当たる場所では、高温にもなりますので賞味期限内でも味が落ちてしまう原因になります。
穀類(米・雑穀・豆・麺類)の長期保存方法
では、どのように保存をすれば、空気や光などの影響を受けずに長期間保存出来るようになるのでしょうか?
それには
- 光を通さない密封出来る包装や容器に入れる
- 空気脱酸素剤を使用して、密封出来る包装や容器の中の空気を取り除く
- 温度変化の少ない部屋に保管する
の3点が満たされるように保存をすることです。
光を通さない密封出来る包装や容器に入れる
光を通さない包装や容器には
- アルミ袋
- ペール缶
- 角缶
などがあります。
それぞれサイズも複数ありますので、ご家族構成などに合わせて使用してください。
鮮度を重視するのであれば、一度開けてしまうと劣化が進んでしまうので、小分けのほうがおすすめです。
参考までに、今回ご紹介している容器で
- アルミ袋AL-20 約2kg
- 角缶 約3.5kg
のお米が入ります。
私はペール缶で試してはいませんが、角缶から計算すると、約17.5kgほどのお米が保管出来ると思います。
また、角缶での保存は匂い移りが気になる方も少なからずいらっしゃいますので、気になる方はアルミ袋での保管がよいと思います。
袋や缶の中の酸素を減らす
袋に穀類を入れたあと、中の酸素を抜くために「脱酸素剤」を入れます。
よく、焼き菓子やふりかけなどに入っているこういうものです。
投入目安は以下の計算式で算出します。
【必要な吸収量の算出方法】
(容器(袋)の体積(縦×横×高さ)(cc)-中身の重さ(g))×0.21(空気中の酸素の割合)
- まず、保存容器の体積を出します。
- 次に中に入れる食品の重さを引きます。
適切な容器全体の体積(縦×横×高さ)から中身の重さを引きましょう。
食品の場合一般的に1g=1ccで算出されるので、重さがそのまま中身の体積となります。
出た答えが容器内の空気量です。
空気中の酸素割合が21%なので、空気量に0.21をかけることで酸素の量が算出されます。
脱酸素剤を選ぶ際は、算出された酸素量を少し上回る吸収量のサイズにすると良いでしょう。
多くの脱酸素剤は、商品名に吸収量を表す数字(ml)が記載されています。
↓こちらの商品なら1つで100mlの酸素を吸収してくれます。
例えば、28×20×6㎝で食品の重量が2㎏の場合、
(28×20×6-2,000)×0.21=285.6 となります。
この場合は、脱酸素剤を3つ使用します。
計算するのが面倒な方はこちらの商品がおすすめです。
脱酸素剤状態の確認
脱酸素状態になっているかの確認は、以下の方法で出来ます(主にアルミ袋保存の場合です)。
- 投入時より空気が減っている
容器の中の酸素が脱酸素剤によって無くなると、体積が2割減ります。
これは空気中に含まれる酸素量が約2割だからです。
封をする時に、出来るだけ空気が入らないようにすると、真空パックのような見た目になることも
あります。
- 中に入れた脱酸素剤の状態を確認する
アルミ袋に入れて数日~2週間程度たったら脱酸素剤に外から触れて、「やわらかい感覚がある」場
合は、上手く酸素が抜けた状態になっています。
反対に脱酸素剤が「かたくガチガチに固まっている」場合は、失敗の恐れがあります。
これは脱酸素剤の原料が「鉄」から出来ており、酸素がある限り酸素の吸収をする性質からです。
中の酸素がなくなるとその時点で反応が終わりますので柔らかいまま残ります。一方で、酸素量が
脱酸素剤が吸収出来る量を超えてしまうと、ガチガチに固まってしまうのです。
使い捨てカイロも同じ原理ですので、使用したあとはガチガチに固まりますよね。
カイロが余っている!と言う方は、脱酸素剤の変わりにカイロでも代用出来ますよ。
穀類(米・雑穀・豆・麺類)の長期保存を実践してみよう
では、実際にどのように脱酸素状態にするのかご紹介をしたいと思います。
今回用意したのは、2㎏のお米とAL-20のアルミ袋、ネルパックの脱酸素剤、アイロンです。
アルミ袋の中にお米を入れる
お米を袋から出して入れても良いですし、パッケージに入ったままの状態でもOKです。
今回は市販されているお米のビニール袋のままアルミ袋の中にいれました。
脱酸素剤を入れる
袋の中の酸素を減らすために、脱酸素剤を袋の中にいれます。
今回はネルパックの脱酸素剤を1つ使用しました。
袋から出したお米を入れる場合はそのまま、袋の場合も空気が通る穴が開いていると言われているので
そのままの状態で入れてもよいですが、今回はお米の袋に切れ目をいれてから、ネルパックを入れました。
※お米の袋に切れ目を入れる時は、アルミ袋を切らないようにご注意ください。
※切れ目を入れるはさみやカッターナイフは消毒してから使用しましょう。
封をする
アルミ袋にはジップがついていますが、ジップだけだと空気が入ってしまう可能性が高いので、アイロンやシーラーで封をします。
今回はアイロンで封をしました。
アイロンやヘアアイロンでも出来ますが、より確実に封をしたいなら、シーラーもおすすめです。
これで完成です。
穀類(米・雑穀・豆・麺類)の長期保存まとめ
今回は雑穀類を長期保存する方法をご紹介しました。
基本的に今回ご紹介した方法は、水分含有量10%以下の食品に有効とされています。
今後の食品の値上がりや品不足に少しでも対策したいという方のお役に立てればと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。
【注意事項】
- 商品に記載されている賞味期限を超えての飲食はご自身の責任となります。
- 今回の保存方法は、当初の鮮度を保証するものではなく、あくまでも「食べられる」範囲での保存方法です。劣化は免れません。
- あくまで素人が「こんな風に備蓄しています」というご紹介ですので、専門的な知識を基に作業されたい方はご注意ください。